recommended(japan)

※recommendedとは「推奨する」

前回ブログでは、米国整形外科学会(AAOS)は、変形性膝関節症治療に関する臨床診療ガイドライン(CPG)改訂版で「ヒアルロン酸注射は推奨しない」と明記されていたことを伝えました。

しかし、日本国内では未だに「ヒアルロン酸注射」を好んで打ち続けています。

果たしてこれはどういうことでしょうか?というのが今回のブログのテーマです。

結論からいうと、日本整形外科学会変形性膝関節症診療ガイドラインでは推奨度 B(中等度の根拠に基づいている):ヒアルロン酸関節 内注射は変形性膝関節症患者において有用な場合がある。副腎皮質ステロイド関節内注射に比較して、その作用発現は遅いが、症状緩和作用は長く続くことが特徴である(推奨強度:87%)。と書かれている為でしょう。これは前回ブログでも伝えました。

さらに、平成29年6月13日 第59回先進医療技術審査部会にて「先進医療技術名:変形性膝関節症に対する多血小板血漿関節内注射治療」と題し、厚生労働省が様々な質問に対して回答を出しています。

https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000110119_17.pdf

以下抜粋

【質問】

膝 OA に対する従来の関節内注射治療法と PRP 治療」

本試験における対象集団の標準治療は,ヒアルロン酸 (HA) の関節内注 入とされています.一方で,本項の記述によりますと,米国整形外科学 会では,膝 OA に対するヒアルロン酸の関節内注入は非推奨と位置づけ られています.米国整形外科学会による位置づけを踏まえますと,ヒア ルロン酸の関節内注入が我が国で標準治療と位置づけられているのか 幾分疑問に思えました.念のための確認になりますが,本試験における 対象集団の標準治療は,HA の関節内注入のみということでよいのでし ょうか.人工膝関節置換術など他の治療選択肢が標準治療となり得るこ とはないという理解でよいでしょうか.本試験における対象集団に対し て HA の関節内注入が標準治療たる理由又は根拠をガイドライン等に基づいて示してください.また,本試験の対象集団における米国での標準治療についても示してください.

【回答】

ご指摘をありがとうございます。本試験における対象集団の標準治療は HA 関節内注射という理解で問題ございません。人工膝関節置換術など他の治療選択肢が標準治療となりうる可能性はございません。運動器疾患の特 性上(生命に直接関わる疾患ではないこと)、人工膝関節置換術の適応は保 存治療に抵抗性、すなわち保存治療によって疼痛コントロールや日常生活 動作の改善が得られない場合の最終手段です。

本試験における対象集団に 対して HA の関節内注入が標準治療たる理由又は根拠に関しては、日本整 形外科学会変形性膝関節症診療ガイドラインにて推奨度 B(中等度の根拠に 基づいている):HA 酸関節内注射は変形性膝関節症患者において有用な場合 がある。副腎皮質ステロイド関節内注射に比較して、その作用発現は遅い が、症状緩和作用は長く続くことが特徴である(推奨強度:87%)ことか ら、国内では膝 OA に対する標準治療と位置付けられます。 

本試験の対象集団における米国での標準治療は、減量と身体への負担が少 ない有酸素運動が推奨度A(最も強い推奨:エビデンスレベルI)となっ ています。

米国で HA 製剤が推奨されていない理由として、使用している HA 製剤の種 類や分子量、用量、使用期間、アウトカム、解析方法といった試験計画に 統一性を欠きエビデンスが一致しないことが挙げられ、日本と米国におけ る HA 製剤の位置づけの相違は、欧米で試験の対象例は病期が進んだ重症例 に対して使用しているのに対し、日本では軽症例から使用すること、整形 外科診療を行う医師が欧米では手術を行う医師と行わない医師で分けられ ているのに対し、日本では一貫して整形外科医が保存治療から手術治療ま で行うといった背景が異なるため治療効果が異なる可能性が示唆されてい ます。

すなわち、欧米では整形外科医は基本的に手術しか行わないのに対 し、日本では整形外科医が保存治療から手術治療までを包括的に行ってい るという診療実態の大きな相違があります。

したがって、軽から中等度の 変形性膝関節症患者に対して質の高い研究を実施できるのは日本の整形外 科医のみと考えられ、欧米とは診療実態が異なることから日本独自の質の 高いエビデンスが発信可能と見込まれます。

※他の質問に対する回答も載っていますので参考にしてみてください

いかがだったでしょうか?

前回ブログだけを見るとあたかもヒアルロン酸注射が「悪」と捉えられかねないので、対比として日本整形外科学会と厚生労働省の見解を載せました。

研究会としてどちらが正しい!ということではなく、どちらも知っておくことが大切だと考えます。

そしてEvidence(用は結果)が1番大切です(^^)

※Evidenceについてはこちらのブログで触れてます!わからない方は読んでみてください

本日はこの辺りで終わります

今週も皆さんにとって楽しい臨床になるよう(^^)

かねこリハ研究会代表伊藤哲朗

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