今回のブログでは研究会運営で大切にしていることと、将来的にしたいことの2つの内容で書いています。
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▶大切にしていること
表題にもあるように、「principle」=「原理・原則」をちゃんと伝える!ということです。
様々な研究会があり、独自で理論を構築されています。患者さんを治療する中で発見された新しい技術は、結果が伴えば「evidence」となり得る為どのような理論(理屈)を当てはめても正解と言えるかもしれません。
ではかねこリハ研究会はどうかというと。
あえて独自の理論(理屈)を会員の皆様に伝えないようにしています。ブログを見ていただいていると分かると思いますが、極力参考文献や引用書籍を載せるようにしています。
なぜそのようにするか?というと
「理論・理屈の所在を明確にしたいから」です。
私自身は臨床家であり、研究家ではありません。ですから基礎医学を新しく発見しているわけではありません。なのでこの研究会で伝えているのは臨床研究事例です。
例えば、「脛骨大腿関節に伸展制限がある人に対してこういう動かし方をしたら角度があがりました」「さらに一症例ではなく何人も変化がでているので、従来の治療方法と比較し統計上有意差があるかもしれません!」
といった事例を報告しています。
そして、これが本当の【evidence(結果)】です。
evidenceの話をすると多くの人が間違えているので、ある事例を話します
勘違いしている人が非常に多いところです!特に日本人のほとんどが間違えている部分です。。
こんな事がありました。。
※粗大にお伝えします。内容が難しいので。。
脳神経外科学会に参加したときのことです。
ある医師の発表の内容ですが、
維持期脳梗塞患者に対して、麻痺肢の機能改善を目的に、ある治療を、ある期間、ある時間行った結果、こうなりました。という感じだったと思います。
発表後、その場にいた理学療法士からの質問があり
「evidenceはなんですか?」というものでした。。。
会場が静まりかえり、発表した医師が解答したのが「今の発表がevidenceです」「おそらくあなたはevidenceの本質を理解されてないと思います。」でした。
私も全く同じ意見ですが、恐らく質問した理学療法士はその意味が分かってなかったと思います。
evidenceとは、ある問題に対して何をすればどうなった!という「結果」です。
おそらく「根拠」と日本語に直訳するからおかしなことになるのでしょうね。
話が脱線しました!
元に戻します(^^)
「なぜこのような治療効果が出たのかな?」と考察する過程で用いるのが基礎医学です。主に解剖学、生理学、病理学、運動学などです。さらにThe New England Journal of Medicine やThe Lancetなどの権威ある文献から引用させてもらうことがあります。
#おそらく質問した理学療法士はこの部分をevidenceと勘違いしているんでしょう。
#今でもちゃんと理学療法士をしてるかな?
このように当研究会では、ある治療結果≒evidenceはそのままお伝えし、その効果の要因ではないかと考察する部分は必ず引用元を示すようにしています。
伝言ゲームと一緒で、最初の文章も多くの人に伝わる過程で全然違うものになりますよね?
結果、どんなにいいものでも患者さんを良くすることができない。と不利益を被るのは患者さんですから、皆さんも誰かに何かを伝えるときはその所在を示す癖をつけるといいと思います。
Munual treatment based on principles of physics
かねこリハ研究会では「物理学の原理・原則を基にした徒手治療」をお伝えしています(^^)
︎▶将来的にしたいこと
かねこリハ研究会で本を出したいと考えています。内容は「Munual treatment based on principles of physics」についてです。
︎学生時代からの疑問でした!
「なぜ本質を教えないの?」
︎臨床に出てから感じたこと!
「なぜ自分の専門領域を知らないの?」
「理学療法士の仕事じゃないよね?」
「それは他の専門職の仕事を犯してない?」
︎他のセラピストを見て
「予後予測を理解して負荷設定してる?」
「痙縮してる筋に対して伸長運動??」
などなど、
挙げればきりがありません。
これが今の日本です。
でもこれは全て「教育」の問題だと思います。学校が増えすぎたこと、国家試験合格がゴール。いろいろ原因はあるでしょう。
なので研究会の活動を通して「原理・原則」を周知できる書籍を作りたいと考えています。
対象は主に学生ですが、すでに臨床に出ている臨床家にとっても有益な内容にしたいと考えています。
♯いつになるかわかりませんが、、、
ぜひ楽しみにしていてください
いやー今回も長々書いたなー笑
それでは楽しい臨床を(^^)
かねこリハ研究会代表伊藤哲朗