Muscle stretch reflex

▶治せる人になる

▶治せる人を育てる

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3つの決意で社会貢献を目指す

かねこ脳神経外科リハビリクリニック部長・かねこリハ研究会代表の伊藤哲朗です

さて前回のブログでお知らせしていたように,本日は「腱反射」についてお伝えします.

「腱反射を見たら,左右差があったので亢進していると思います」

というスタッフとの会話についてでしたね.

語弊がないように言っておくと,「間違い」とは言ってませんからね!

「違和感」と表現しています!ここは大事ですのでお間違いなく!

♯誤解を与えやすい性格なのでいつも悩みます

♯言葉が強くみえるが,相手を傷つけるつもりは一切ありません

♯みんな仲良くが好きです(笑)

では説明していきます☺

ポイントは2つです

①反射の定義や生理学的な意味合いから考えての違和感

②筋伸張反射のgradeは何を使うのが得策か

①反射の定義や生理学的な意味合いから考えての違和感

まずそもそも「反射」というものがどういうものか?といことですが, clinical examination in neurology W.B.SUNDERS COMPANYではこのように書かれています.

「神経学的検査の一部として誘発される反射は感覚刺激に対する不随意的な運動反応と定義される」

つまり,不随意であるため,ある(+)orない(-)の判定しか本来存在しないんです.

それを個人の主観にて強いor弱い,ましてや左右差がある!などと判定することにあまり意味はありません.

むしろ測定者間誤差を招き,結果迷惑を被るのは患者さんです.

しかし,検査を標榜する書籍を読みあさると,さまざまな判定基準が散見されます.強弱や左右差を唱える書籍もあるのでどの書籍で知識を得たかによって検査基準が違うということが臨床ではあるのでしょう.

しかし検査基準が違うことでやはり困るのはそれを受ける患者さんでしょうね.

このような理由があって,まず「違和感」とし「間違い」ではないと表現させていただきました.

② 筋伸展反射のgradeは何を使うのが得策か

すべての判定基準を紹介するわけにはいかないので今回のブログでは私が普段臨床で用いている「Mayo Clinic」の指標を伝えたい思います.

※ちなみに知らない人のためにMayo Clinicの説明を付け加えます.

アメリカを代表する医療機関.「クリニック」という名前がついているが,日本でいうところのクリニック(診療所)ではなく病院.イギリスから移民として米国に渡ったウィリアム・メイヨー医師が,1864年にミネソタ州のロチェスターに開いた小さな診療所が起源になっている.

Mayo Clinicの従業員数は6万5214人であり,内3万5000人は本拠地ロチェスターで勤務している.ロチェスター市の人口は10万人ほどなので,3人に1人がMayo Clinicで働いていることになります.

「全米の優れた病院ランキング」では常にトップもしくはそれに次ぐ位置を維持しており,世界中から患者が来院するなど医療の先進を走っている病院です.

世界中の医師が研修先として足を運ぶ,いわば医療のトップランナーです.

以下が判定基準になります.

0正常
軽度亢進
2+著明な亢進/clounus(-)
3+unsustained clunus
4+sustained clounus
筋伸張反射・表記法

亢進の有無をclounusで判断しているのが分かります.

更にClounusもunsustained(3回未満)とsustained(3回以上)に分けられ,判定基準を明確化しているんですね.

この指標を知ったきっかけは大手前病院勤務時代の医師(須貝先生)からのご指導があったからです.

先生曰く,旧帝国大学(東京大学,京都大学,名古屋大学,東北大学,北海道大学,大阪大学,九州大学)出身の神経内科医の多くがMayo Clinicで研修を受けるそうで,常識として筋伸張反射の判定基準はMeyo Clinick基準であると教えていただきました.

たしかに私が勤務するクリニックの周囲には伊丹市民病院・関西労災病院・近畿中央病院などがありますが,これらの病院の脳外科・神経内科の医師の多くが大阪大学出身者であるというのは事実です.

そしてそれらの医師からクリニックに対して外来リハの依頼があった場合に,違う基準で解釈してしまっては検査の妥当性を欠くことは言うまでもありませんね.

このような理由があって私はMeyo Clinic基準を使用しています.

重ねて言いますが,強弱を自己にて判断したり・左右差が亢進の判断基準になっていることが「間違い」とは言っていません.

さまざまな専門書があるので臨機応変に対応してください.

大人ですからね(笑)

またこれは補足ですが,

日本では「腱反射(tendon reflex)」と呼ばれることが多いですが,これは正しい意味を反映していないと思います.なぜなら生理学的には筋紡錘に対して閾値を超える刺激(0.001sec)が加わった際、Ia感覚ニューロンを介して脊髄後根,さらに前根からa運動ニューロンを介して同一筋の収縮を促す単シナプス反射であり,腱(tendon)が直接的に単シナプス反射に関わっていないからです.

このことは欧米の書物でも1963年以降に論じられていて「筋伸展反射(muscle stretch reflex)」という用語が望ましいと多くの書物で記しています.

といことで今週のスタートに少し「腱反射/筋伸展反射」を見直すきっかけを述べてみました!

今週も楽しい臨床を(^^♪

「Muscle stretch reflex」への1件のフィードバック

  1. Yoshida Masumi

    筋伸展反射!!!
    確かにそちらの用語の方が
    仕組み的にしっくり来ました。
    ありがとうございます。

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