Non-specific low back pain

今回のブログは日常や臨床においてもよく遭遇する「腰が痛い!」という症状についてです.

その中でも,いわゆる「非特異的腰痛症」について書いていきます.

クリニックで働いていると遭遇することが非常に多い!

聞きなれない方もいると思うので少し説明すると,

腰痛の症状がありクリニックなどを受診するといろいろ検査を受けますよね

レントゲン・MRI・深部腱反射・筋張力検査・感覚検査・深部腱反射など・・・

それらをもとに診断が下されるわけですが,

「画像上の問題と思われる部位と身体所見が合わない」ということがあります.

その場合につく診断名が「非特異的腰痛症」です

改訂23版 神中整形外科学 南山堂では,

「痛みは腰部に起因するが,下肢に神経障害や重篤な基礎疾患を有しない病態」と記されています。

また以前のブログで載せさせていただいたように,「腰痛診療ガイドライン」においても診断が困難な病態として取り上げられています.

臨床で見かけることが多いのに原因精査が困難!

となると治療はどうしたらいいのだろう?と悩んでしまいますよね.

様々な研究論文や書籍にて意見が多少異なります.

それは,学会による違いや研究デザインによるものでしょう.結果的にはまだ未発見な部分であり,患者の個別性に合わせて適宜治療内容を検討するように!との内容がほとんどでした.

そこで,私が読んだ書籍の中でいろいろな治療方法や方針について書かせていただきます.

※毎回序盤の説明が長くてすいません…

▶改訂23版 神中整形外科学 南山堂より

腰痛症状が出現するだいぶん以前より「心理的因子」と「社会的因子」による暴露があるとのことです.

そして器質的(生理学的)損傷ではなく,「器質的・機能的障害」と「生物・心理・社会的疼痛症候群」ととらえるようにと記されています.

難しい言葉ばかりで頭に???が飛びますね.

つまりは,ストレスや仕事などが身体に負担として加わり,それらを引き金に腰痛症状の発現に繋がったという事です.

今までであれば,原因組織を特定し,その組織の病理学的な回復過程を考慮して治療プログラムを立案していましたが,そもそも心理や社会が原因であるとするなら考え方を変えなければなりません.

欧米の診療ガイドラインでも,

「なるべく早期に元の状態に復帰させること(目的),その為の「鎮痛」は手段である.」

従来であれば「鎮痛」が目的になっていたと思いますが,変わってきたという事でしょう.

その為治療プログラム立案においても初期から患者自身が主体的に治療方法の選択や治療自体に参加するようにプログラムを組む必要があると書かれています.そしてそのほうが実際の治療成績や満足感がかなり高いようです.

治療的運動に関わる理学療法士や,訓練に関わるトレーナー,活動にに関わるインストラクターにとっても患者さん・クライアントと一緒に作り上げていく治療・訓練・体操などと考えるといいかもしれませんね.

日本腰痛会誌,13(1):24-30,2007 椎間関節性腰痛の基礎 より

今度は少し解剖やバイメカの話です.

※非常にややこしく面倒な方は飛ばしてください.

椎間関節はそもそも荷重関節で,脊柱に対する全荷重の16%を受けています.残りの84%は椎体や椎間板です.そして椎間関節性腰痛患者の多くは矢状軸に対して仙骨が44.2°±6.1°(健常者58.7±11.2°)と起立しており,腰椎の後弯を助長しているそうです.この腰椎の後弯角度が増加することで椎間関節への荷重は減少していき、結果周囲組織への負担が大きくなり,炎症を惹起することが確認されています.

椎間関節の関節包の構造について説明します.内層は不規則な弾性繊維,外層は膠原繊維で形成されています.そしてこれらの線維膜性組織には豊富な感覚神経終末(機械受容器:mechanoreceptor)が分布しています.

神経終末の種類の比率をFreemanとWykeの分類に従って調べたところ,TypeⅠ(Ruffini週末など)が63%,TypeⅣ(自由神経終末)が27%,TypeⅡ(Pcini小体など)が10%だったとしています.

さらに電気生理学的な検査によると,椎間関節に30個(関節包内:13個,関節包辺縁部:15個,黄色靭帯:2個)の受容器が同定され、関節周囲の筋・腱・靭帯に29個の受容器が同定されたと書かれています.

※ややこしいのでここからは解剖学の本を持っている人はぜひ見てもらいたいのです,,,

椎間関節は脊髄神経後枝の内側枝により支配されています.外側枝は,腰腸肋筋に分布し,内側枝は,乳様副靭帯の下をくぐり,まず隣接する椎間関節包の下部に第一の枝を送ります.第二の枝は多裂筋を支配します.第三の枝は,1つ下位の椎間関節法の上部へと向かいます.すなわち後枝内側枝は,同一レベルと1つ下位レベルの2つの椎間関節を支配します.

ややこしいですよね.少しまとめます.

私たちが臨床で患者さんを治療する際,脊柱近接の組織(多裂筋・腰肋筋・腰最長筋)の攣縮をみると思います.例えば脊柱伸展位で腰痛が出る症例さんの場合,椎間関節間が接近する場合に症状を訴える症例であることが分かります.この際その関連関節に影響する筋のみが攣縮しているかというとそうではないですよね?むしろ脊柱の棘突起に沿って並行して仙骨底から頭蓋骨底まで攣縮している場合がほとんどです.なぜこのようなことが起こるかというと,上記で示したように椎間関節を支配する脊髄神経後枝自体が二関節をまたいで組織を支配しており,さらに末梢の機械受容器の刺激が脊髄反射として隣接組織にも波及してしまうために起こるのです.そしてそれらの攣縮を招いた原因として腰椎の後弯(仙骨の矢状面上での起立)があり,姿勢修正や関節可動域運動などの適応が出てくるということです.

書き出すとだめですね…長々と書いてしまう癖があるようです

実はもう2つほど伝えたかった内容があるんですが,これ以上書くと大変なことになりますので止めておきます.簡単に言うと「傾斜計を使った椎間関節性腰痛症の評価」と「関節運動学的アプローチ医学会の指導員研修を受けている」という話です.

ではでは,今週も楽しい臨床を!

かねこリハ研究会 代表 伊藤 哲朗

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