多くの勉強会があり、多くの技術があります。しかし、「やり方」を覚えることは重要ではないと考えています。なぜなら、それらの「やり方」の多くが開発者の知識と臨床経験にて作られたものであり、学んだあなたの体で表現できるとは限らないからです。
その為「かねこリハ研究会」では、患者さんの反応をいかにとらえるか?自分の手から感じている感覚と治療技術が結びついているか?など、当院スタッフが日々の臨床の中で磨いている「手の感覚」を参加者がわかるように指導させていただきまます。
Mission1 運動学の普及:理学療法士は運動学の専門家ですが、運動学の本質を理解している理学療法士はほとんどいません。それは理学療法教育で用いられている教科書は「骨運動」を中心に書かれた内容が多く、「関節運動学」の詳細が欠落しているからです。そして「関節運動学」の知識を持っているかどうかは臨床において非常に重要だと考えます。その理由として、1960年 Dr MennellはBack painという成書の中で剖検によって何ら異常が発見されない痛みの存在を指摘し、これが関節面の滑りや回転など関節包内運動の障害によるものとして、joint dysfunction(関節機能異常)と名づけました。そしてこの関節機能異常は臨床にてもっとも多いと指摘しています。この関節機能異常の治療において関節運動学は必須の知識ですが、非常に難解であるため普及しないのではないかと考えています。その為当研究会では運動学の原理・原則について正しく普及していくことをMissionに掲げています。
Mission2 頭痛研究の発信:本邦の頭痛患者は4000万人と推定され、国民の健康を脅かす重要な疾患の一つとされています。頭痛診療ガイドラインによると、診断にはまず片頭痛、緊張型頭痛に代表される「一次性頭痛」と原因の確定が可能で生命の危険に関わる可能性のある「二次性頭痛」の鑑別が必須と言われています。当院においては、診察にて問診や画像(MRI)、身体的所見により「二次性頭痛」が否定された方に対して理学療法へ処方が下りてきます。そして多くの方が理学療法にて早期に頭痛を改善され、日常生活を過ごすことが可能となっています。これらの頭痛治療における学際的なエビデンスや理学療法における臨床データを発信しています。
Mission3 脳・神経筋疾患研究の発信:要介護認定に陥る疾患 第2位、死因別にみた死亡率 第4位。これらの疾患を患っている方は多く、日常生活に支障を感じられていることと思います。そのような中、インターネットやチラシといった広告を散見すると誤った情報が多くあることに驚きます。これらの情報を信じ、誤った治療に高額のお金を支払う。さらには機能回復を遅らせたり、困難にする例を目の当たりにしてきました。脳・神経筋疾患を専門で診療にあたるクリニックとして微力ながらも正しい知識と技術を世に発信していきます。